看護実習時代の思い出を振り返る

患者さんとの思い出と看護師のお仕事

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このサイトについて長年看護師として勤めた経験と思い出を離職した機会に徒然に書いてみました。
これから看護師を目指す人の参考になればいいなと思っています。

現役看護師の実習時代の思い出

つい先日、私が昔、新人指導をしていた看護師と食事をする機会がありました。
彼女は、新人看護師のころはのんびり屋さんで一人前になれるのかしらとちょっと心配な子で、それでいっそう親身に指導をした経緯もあり、いつの間にか母と子のような親しい間柄になっていました。(歳はそんなに離れていませんが)
そんな彼女も今ではすっかりベテランの看護師になって、若い看護師を指導しているとのことでした。
それで、自分の実習時代のことを思い出したらしく、その時の話をしてくれました。
現役看護師の実習時代の思い出

実習での失敗

看護師になる前に、看護学校で毎日授業を受けて、医学の基本から臨床についての知識の勉強をして、ある程度、知識がついてくると実際の病院で実習を行うことになります。
まだ看護師ではありませんので、治療行為はもちろんできません。できることは患者さんのバイタルを測ったり(=体温や脈を測ったり)、患者さんの寝具を直したり、身の回りのお世話をしたりと、看護助手のお仕事に近い内容のことを実習で行います。
そんなに難しいことをやるわけではないのに、初めてのときは緊張のあまり、まったく思うようにできません。まず脈をとろうとしても、どこに脈があるのか見つけるのが一苦労で、やっと見つけて数えだしたら、時計の針を読んでいるうちに数えた脈を忘れてしまいと散々です。

小児看護実習

実習の一環で小児看護も行いました。私の担当の男の子は小学6年生。心臓弁膜症で入院をしていて、近々手術をするとのことでした。
病気の性質上、身体がおもくだるい様子で、半分起こしたベッドに身体を預けながら本を読んでいました。その子の熱を測って、脈を取ると、もうやることがありません。黙ってそこにいるのもおかしいので、その子に「何の本を読んでいるの?」と聞いてみました。するとその子は、ちらっと私を見た後、何も言わずに本と一緒にベッドの中に潜ってしまいました。明確な拒絶です。何の考えもなく、沈黙を埋めるためだけのお座成りの言葉だと簡単に見抜かれたみたいで、すごくショックでした。
確かにその言葉を言った瞬間は、何も考えていませんでした。それを心のこもっていない言葉だと子供は敏感に悟ったのでしょう。特に手術を間近に控えて不安な気持ちでいっぱいで心が繊細に研ぎ澄まされたその子には、偽物の言葉だとはっきりわかったのでしょう。
この体験が私に患者さんとの本当のコミュニケーションの必要性を学ばせてくれました。

成人看護実習

その後、中年男性の看護実習を行いました。初期の胃癌の患者さんで、すでに医師から詳しい説明を受けていて、手術の日を待っているところでした。以前と違って、初期の胃癌の完治率は98%を超えていますので、それほど心配はいらないのですが、患者さん本人の心中を察すると穏やかなものではないと思われます。
そこで、小児看護実習で学んだ患者さんの立場にたった心のこもったコミュニケーションを心がけてお世話を致しました。その結果、患者さんにもご家族にも大変喜んでいただけました。私は看護師の実習生として当然のことをしただけなのに。
この実習時代の体験が今も生きていて、辛いことはいろいろあるけれど、患者さんとのコミュニケーションを重ねていくことによって、たくさんの感動を得られて、看護師になって本当によかったなと実感しています。

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