看護実習時代の思い出を振り返る

患者さんとの思い出と看護師のお仕事

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このサイトについて長年看護師として勤めた経験と思い出を離職した機会に徒然に書いてみました。
これから看護師を目指す人の参考になればいいなと思っています。

私が体験した看護実習の思い出

先日、わたしが新人時代の頃にプリセプターでお世話になった先輩看護師と食事をする機会がありました。「当時あなたはのんびり屋さんで一人前になれるかちょっと心配していたのよ」と。確かに新人時代を思い返してみても、ザ・マイペースであんな子の指導するのわたしはご免だなと思うほどです。

まあそれはさておき、昔話に花を咲かせていると自分の実習時代の思い出がどんどん蘇ってきたので、ここで少しお話させてください。わたしの体験談やそれを通じて学んだことについて書いていますので、誰かの参考になればうれしく思います。
私が体験した看護実習の思い出

実習での失敗

看護学校では、毎日授業で医学の基本や臨床に関する知識の勉強を行います。そしてある程度知識がついてきた頃に行うのが、実際の医療現場での看護実習です。まだ看護師ではないため治療行為はもちろんできません。実習先では、患者のバイタルチェックや寝具を整える、身の回りのケアなど、看護助手のような業務を行います。 看護職から退いた私でも、未だに忘れられない実習の苦い思い出があります…。自分で言うのはおこがましいですが、私は記憶力が良く勉強は割とできる方だったんです。試験でもいつも上位でした。テキストにないことを実習で学ぶぞと意気込んでいましたが、ある患者さんとの出会いでコミュニケーションを取ることの難しさを味わいました。 私が担当することになったその患者さんは、長い入院生活で毎日イライラされていたんです。そして看護学生であるわたしを付けられ、さらにイライラされていたご様子で。検温に伺っても「昨日と一緒!」と言われスムーズに測らせてくれません。 コミュニケーションを取ろうと、「今お話してもいいですか?」と聞くとため息のあとに「どうぞ」と言いながらも携帯を触る&テレビを見るのをやめてくれないんです。 「何のテレビがあってるんですか?」と聞いても「見ればわかるでしょう」と、とにかく私へのあたりが強い。しかし、相手が悪いと決めつけるのではなく、コミュニケーションを取りたいというのはこちら側のエゴなんだと思い直したんです。 それからは、検温などの必要最低限のことを行ってすぐに退出するようにしました。先輩看護師からは、「いろんな患者さんがいるからね。こちらの要望ばかり押し付けずに、相手がどういう対応をしてほしいのかを見極めることが大事。あなたの対応は間違っていないと思うよ。」と言ってもらいました。 結局仲良くはなれないままその実習を終えてしまったのですが、今となっては初めて担当した患者さんがこの人で良かったなと思うようになりました。昔は悔しくて毎日枕を濡らしていましたが。 若いうちに、こちらの思い通りにならないことのほうが多いっていうことを学べたのは大きかったなと思っています。

小児看護実習

小児看護学実習では、最初に担当したコミュニケーションが取りづらい患者さんとはうってかわって、子どもとの触れ合いは楽しいものでした。私が病室に入ると、「お姉ちゃんあのね!」とその日あった出来事を話してくれるんです。コミュニケーションの面では何も心配いらないのですが、少々気分屋なところがあり…。 日によって検温や血圧を測るのをすごく嫌がり、泣いて抵抗します。子どもの涙は同室の子どもに伝染ることもあるので、一斉に泣かれたときには絵に描いたようにアタフタしていたと思います。当時の私に冷静さと柔軟な発想はなく、バイタルチェックが終わるまでナースステーションには帰れない、と頑なでした。 でも、「泣いた状態だと値も正常じゃないから、そういうときは出直せばいいのよ」と先輩看護師から教えてもらい、ハッとしたんです。そして私なりにいろいろ考えた結果、最初から検査するつもりで接するのをやめてみようという結論に至りました。「◯◯くん今日はなんか夢見た~?私はね…」というように、まずは違う話をしたりその子のお気に入りのおもちゃで少し遊んだあとに、「今日のお熱何度くらいだと思う?」と検査に持っていくようにしたんです。 けっこうこの方法がうまくいって、「僕が測ってお姉ちゃんに教えてあげるね」とスムーズに検査してくれるようになりました。看護師長には、いつまで遊んでいるの!とお叱りをうけることもありましたが、先輩看護師は「信頼関係は大事。それがないと日々の検査がスムーズに進まないからね」と私の工夫を肯定してくれたのは良い体験でした。

心臓弁膜症は、主に高齢者に多い疾患と言われています。心疾患は、日本人の死因ランキングの上位に入るほど軽視できない病気です。心臓弁膜症に関する知識を増やしたい看護師は、こちらで知識を増やせますのでぜひ参考にしてみてください。
心臓弁膜症サイト

成人看護実習

成人看護学の実習では、急性期病床で術前術後の患者さんのサポートについて主に学びました。周手術期の患者さんはとてもデリケートです。術前は不安を感じている人が多く、術後は身体的な症状の変化が顕著に現れるので注意深く観察することが大事です。 わたしが担当したのは、初期の胃癌の患者さんです。担当医師からはすでに詳しい説明を聞いていて、あとは手術日を待つのみでした。初期の場合、生存率は90%以上を超えるのでそれほど心配なものではないですがお腹に複数の穴を開ける腹腔鏡手術に、不安緊張がとても強いご様子で…。不安から睡眠も満足にとれていないとのことでした。 「普段使われているタオルケットとかあれば持ってきてもらうのもいいかもですよ」とアドバイスしてみたり、睡眠導入剤の投与を勧めたりと、先輩看護師と話し合いながら不安を取り除くためにたくさん考えました。そこで活かせたのが小児看護学実習で学んだコミュニケーションの大切さ。バイタルチェックなどの前に、必ず世間話などを挟むようにしたんです。 最初はなかなか同室の患者さんと打ち解けられない様子だったのですが、結果的に楽しそうに会話を交わす様子が見受けられるようになりました。本人からもご家族からも感謝いただいたので、やっぱり看護師の仕事っていいなと感じた瞬間でしたね。

心臓弁膜症への看護

今までご紹介した体験談のほかに、心臓弁膜症の患者さんを担当したことも良く思い出す実習エピソードの1つです。 心臓には、右心室・右心房・左心室・左心房の4つの部屋があり、それぞれの部屋にはドアのような役割を果たす「弁」というものがあります。 心臓弁膜症とは、この弁が傷ついたりすり減ったりして正常に機能しなくなった状態のことを指します。心臓弁膜症の治療は、薬物により症状を緩和する保存的治療と、弁を根本的に治すための開胸手術による外科的治療、低侵襲を目的としたカテーテル治療があります。 加齢や先天性、感染症、外傷などが原因と言われており加齢が多いのですが、わたしが担当した患者さんは先天性で罹患してしまった子どもでした。 心電図や胸部レントゲン、心エコー、心臓カテーテルなどの多くの検査に加え、めまいと胸痛がひどいようで、ベッドの上でずっとぐったりして過ごしていました。家族の精神的なストレスも大きいようで、仕方のないことではありますがその部屋の空気はあまり良いとは言えないものでした。 わたしの場合、主に検温や血圧を測るときにコミュニケーションを取れるチャンスがあるのですが、いつもぐったりしているので少しでも笑顔になってくれたらなと、またわたしのエゴがうずきだし…。まずその子と2人だけの言葉を作りました。 検温は「ピッピ」、血圧は「プシュプシュ」といった具合です。お母さんも一緒になって、「ピッピの時間だね」と言ってくれると、子どもも「そうだよ。◯◯ちゃんね、じっとしていられるよ」とうれしそうな顔をしていてこちらもうれしかったです。 夜間はお母さんがお子さんに付き添うのですが、わたしも寝るまでは一緒に絵本を読んだりして、子どもだけでなくお母さんにも気遣うように心がけました。 無事に手術が終わったときはよくがんばったねと胸がいっぱいになったのを今でも覚えています。退院までは見送れなかったのですが、小学校を卒業したタイミングで病院に遊びに来てくれたことはうれしい思い出です。

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私が看護師として勤務していた30年余りの間にいろいろな患者さんを担当しましたが、がん患者さんも多くいらっしゃいました。
今でこそ、手術や化学療法などで完治するようになりましたが、以前は不治の病として、医師は家族には伝えるけれども本人には告知しないという時代もありました。私が初めて担当したがん患者さんのことは今でもよく覚えています。病名は知らされていなくても察するものがあるのでしょう。気分が沈みがちの患者さんを、そこから引き上げて、明るく元気に治療に向かわせるのも看護師のお仕事です。がん治療の患者さんとの思い出の続きはコチラ

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看護師は転職する人が多い仕事です。看護師の転職が多い理由はいろいろ考えられますが、一般に言われているのは、「看護師は勤務時間も不規則で長時間勤務となることもあり、きつい仕事」「性格のきつい人も多く人間関係が大変」「職場を変えたいと思ったときに、看護師は不足しているので資格があればすぐに就職ができる」といった流れです。
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